Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
直江 崇; 涌井 隆; 粉川 広行; 若井 栄一; 羽賀 勝洋; 高田 弘
Advanced Experimental Mechanics, 3, p.123 - 128, 2018/08
核破砕中性子源水銀ターゲット容器は、SUS316L製であり、TIG溶接により製作される。運転中には、陽子線励起圧力はによって、約50sの高ひずみ速度で約10回の繰返し負荷を受ける。本研究では、SUS316L及びその溶接材のギガサイクル領域における疲労強度を超音波疲労試験により調査した。その結果、母材では10回までに明確な疲労限度は観測されなかった。一方、浸透探傷検査により欠陥が観測されなかった溶接材では、応力集中部である試験片中央部に溶接部を配置した試験片において、溶接ビード及び裏波を除去した場合は、母材よりも疲労強度が高くなる傾向が見られた。一方、溶接ビード及び裏波を除去しない場合は、溶接止端部への応力集中により、母材と比較して著しい疲労強度の低下が観測された。
小柳津 誠; 磯部 兼嗣; 林 巧
no journal, ,
これまでのSUS304ステンレス鋼に関する研究では、トリチウム水環境下で防食の要である不動態化が阻害され、腐食が促進することが明らかとなり、そのメカニズムとして、クロムの溶出がこの不動態化阻害の主原因であることを考案した(クロム溶出モデル)。SUS316Lステンレス鋼は核融合炉の構造材や配管材としての使用が想定されるとともに、クロムが溶出する環境でも防食が維持される材料として知られている。そこで、SUS316Lステンレス鋼のトリチウム水との共存性を明らかにするために、トリチウム水中におけるSUS316Lステンレス鋼の不動態化挙動について電気化学測定を実施した。その結果、SUS316Lステンレス鋼はSUS304ステンレス鋼に比べ、不動態化の阻害などのトリチウムの影響を受けにくいことが明らかとなり、クロム溶出モデルの妥当性を検証したとともに、SUS304ステンレス鋼よりもトリチウム水環境下での使用に適していることが示唆された。
相馬 康孝; 加藤 千明; 上野 文義
no journal, ,
高温高圧水中におけるステンレス鋼のSCCの進展挙動に及ぼすき裂のすき間内環境の影響を明らかとするため、SUS316Lステンレス鋼のすき間腐食試験片を作製し、試験片に埋め込んだセンサーを用いることで、すき間内液性変化の目安となる溶液導電率のIn-situ分析を行った。その結果、すき間のギャップが十分小さい場合、溶液導電率は純水のそれより二桁以上上昇し、その部分では粒界腐食が発生することが分かった。
相馬 康孝; 加藤 千明; 上野 文義
no journal, ,
軽水炉環境におけるステンレス鋼の応力腐食割れ(SCC)は重要な経年劣化事象の一つであると認識されている。多くの研究者がすき間形状となるSCCの先端はバルクとは異なる水溶液環境で腐食していることを指摘している。しかしすき間内の環境を直接その場観察した例は極めて少ない。そこで本研究では人工すき間を形成し、そこに小型の電気化学センサーを挿入することで高温高圧水中におけるすき間内の局部環境の測定を行った。実験としては、ステンレス鋼板2枚ですき間を構成し、片方の板に高純度アルミナで絶縁した約300mの電極をロウ付けしてセンサーとした。センサー付きのすき間試験片を温度288C、溶存酸素濃度32ppm、入口導電率0.06S/cmの水中に浸漬し、インピーダンス法より、溶液導電率を測定した。実験の結果、すき間のギャップが60mの場合、溶液導電率はバルク水と同等であったが、10mの場合、バルク水よりも100倍以上の導電率が計測された。この導電率はpH約3に相当し、288C水の中性値である5.65と比較すると、すき間内ではギャップが十分小さい場合、局部的な酸性化が起きることを示した。
直江 崇; Xiong, Z.*; 二川 正敏
no journal, ,
J-PARCの核破砕中性子源のSUS316L製水銀ターゲット容器は、陽子及び中性子照射による損傷を受けると同時に、水銀中に発生する陽子線励起圧力波により繰返し応力が負荷され、1MWで2500時間という設計寿命中に2億回を越える繰返し負荷を受ける。近年、1千万回を上限とした疲労試験により評価された疲労限度以下の応力において、ギガサイクル領域では破壊が生じることが報告されている。本研究では、超音波疲労試験法を用いて、SUS316L及びその溶接材に対して10回までの疲労試験を実施した。その結果、SUS316L材では、10回以上の領域では、通常の疲労限度以下の荷重でも試験片表面からのき裂伝ぱによる疲労破壊が生じ、10回までの試験では明確な疲労限度が現れないこと確認した。一方、溶接材では、溶接ビードを除去した平滑材で母材以上の疲労強度が得られたが、溶接ビードを残した試料では、止端部での応力集中により疲労強度が母材以下に低下することを確認した。